クラウドPBX 2022.12.16

停電時でも電話が使える!?クラウドPBXはBCP対策にも有効

BCP対策 クラウドPBX ビジネスフォン

停電が起こった場合、オフィスに設置している電話のシステムによっては、完全に使えなくなってしまいます。企業において電話が使えなくなると、業務に大きな支障をきたします。災害が多い日本においてはあらゆる企業にBCP対策が求められていますが、停電時に通話できる状態にしておくことも重要なBCP対策です。

本記事では、停電時に使える電話と使えない電話、停電時でも使えてBCP対策にもなる、クラウドPBXの有用性について解説します。

 

停電時に使える電話と使えない電話

建物や地域において停電が起こったとき、導入している電話のシステムによって、しばらくは使える電話とすぐに不通になってしまう電話とに分かれます。

一般的に、電源を必要とする機器で電話を使っている場合は停電時に不通となります。それは、オフィス内に設置する主装置や専用電話機、PBX(構内交換機)など電源を必要とする機器が、停電により使えなくなるからです。ただし、内蔵バッテリーが搭載されているものについては、主装置やPBXでは10分程度、専用電話機では5分程度もつものもあります。

また、アナログ回線やISDN回線といったメタル回線(銅線)を利用する電話回線の場合は、前述の内蔵バッテリーと電話回線からの微量の電流により、ISDN回線に必要なDSU(デジタル回線終端装置)も含めて稼働するため、少しの時間は電話が使えます。

しかし、光ファイバーを利用する光回線の場合、光電話ではVoIPゲートウェイやONU(光回線終端装置)が必要ですが、それらはPBX内蔵バッテリーが残っていたとしても、DSUと異なりそこから給電ができません。このような理由から、光電話は停電するとすぐに使えなくなります。

なお、メタル回線を利用する電話回線の場合でも使える時間が限られています。そのため、「停電時はオフィスの電話は基本的に使えなくなる」と認識し、対策を講じておくことが重要です。

停電時の対策として、代表的なものにUPS(無停電電源装置)の導入があります。UPSとは、停電時でも一定時間電気を供給するための予備電源。停電時でも急な機器の停止を防げますので、大切なデータを保護できます。

UPSについては、電力供給時間や性能などが製品によって異なりますので、目的や保護する対象、費用対効果なども考慮しながら適したものを選ぶことが大切です。

停電時にも電話を使える環境に有効な手段としては「クラウドPBX」もあります。次の章では、クラウドPBXとはどういったものか、また、なぜ停電時でも使えるのかをみていきましょう。

 

クラウドPBXが停電時でも使える理由

クラウドPBXとは、クラウド上のPBXをインターネット経由で利用するサービスです。PBXがクラウド上にあるため、社員のスマートフォンにクラウドPBXのアプリをインストールしておくことで、オフィスの専用電話機と同様に利用することも可能です。

また、物理的な装置がオフィス内に設置されていないため、クラウドPBX自体はオフィスの停電の影響を受けません。

インターネットに接続するためのWi-Fiルーターやオフィス内の電話機などは停電の影響を受けますが、スマートフォンでクラウドPBXに接続できれば電話環境は保たれます。オフィスの電話機の代わりにクラウドPBXに接続した社員のスマートフォンを使い、モバイルデータ通信を利用すれば、会社の電話番号から発着信が可能です。

なお、クラウドPBXは停電時だけに有効なシステムではなく、BCP対策として広い範囲で利用できるものです。

従来のPBXと異なるクラウドPBXには、さまざまな魅力があります。「クラウドPBXの仕組みを理解しよう!従来型との違いや今後のシェア予測なども紹介」も、ぜひご覧ください。

 

クラウドPBXはBCP対策にも有効

BCP対策とは、今回のコロナ禍のような感染症拡大や自然災害などの緊急事態があった際に、損害を最小限にとどめ、中核事業の継続・早期復旧のために、あらかじめ取り決めておく計画のことです。

停電時に有用なクラウドPBXの電話環境は、BCP対策としても有効な手段です。ここでは、その主な理由をみていきましょう。

データがクラウド上に保存されている

クラウドPBXでは、電話番号をはじめ顧客情報などの大切なデータがクラウド上に保管されています。そのため、従来のオフィスにある物理的なPBXとは異なり、大規模な地震や火事などがあっても物理的な破損がなく、データを守れます。

また、クラウド上のデータには離れている場所にいる社員同士も共有でき、非常時にもスムーズに業務を遂行しやすい環境の構築が可能です。

被災によりオフィスを移転するなどの場合でもデータの移行作業が不要なため、移転時や復旧の負担を軽減できます。電話帳などもクラウド上に保存されるWeb電話帳が利用できるため、顧客情報を失うリスクも低くなります。

Web電話帳については、「Web電話帳とは?主な機能とメリット・注意点」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

スマートフォンをオフィスの固定電話と同様に利用できる

クラウドPBXは前述のとおり、インターネット接続ができる環境があれば、社員のスマートフォンを内線として利用できるため、オフィスの固定電話と同様に使えます。

例えば、スマートフォンから会社の代表電話を使った発着信も可能。非常事態で社員が出社できない場合でも、電話業務を継続できます。

テレワークの導入をスムーズにする

働き方改革の実現に向けテレワークを導入する企業が増えてきましたが、テレワークはBCP対策としても推奨されているものです。そして、社員のスマートフォンをオフィスの固定電話のように利用でき、必要なデータをクラウド上で共有できるクラウドPBXの環境は、テレワーク時に必要な環境です。

クラウドPBXに接続している社員のスマートフォン同士の電話は内線になるため通話料が無料ですので、気軽に社員同士が連絡を取り合うこともでき、テレワーク環境として理想的です。

以上のようにテレワークの導入をスムーズにするシステムの一つであることからも、クラウドPBXの導入はBCP対策の一環だと言えます。

電話環境を含めたBCP対策ならクラウドPBXを導入しよう

企業は停電時をはじめ災害が起こることを想定して、業務環境の維持ができるよう備えておかなければなりません。顧客や社員同士の連絡手段となる電話環境や、顧客情報などのデータを安全に管理できる環境を作っておくことも、BCP対策の一つとして重要です。UPS導入と並んでクラウドPBXの導入も有効な手段となります。

ただし、クラウドPBXといってもさまざまなサービスがあり、BCP対策として有用な機能を本当に有しているかを確認する必要があります。また、プランや事業者によって料金設定もさまざまです。

必要な機能をすべて搭載していてリーズナブルだからと契約すると、そのほとんどが有料オプションだったというようなケースもあります。サービス選定は重要です。

クラウドPBXの上手な選び方がわかる資料を無料でご提供しています。ぜひご覧いただき、有効なBCP対策への足がかりとしてください。

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この記事の編集者

編集者:Good×Media編集部

CIOReview APACにて日本で唯一「最優秀クラウド電話ソリューション企業」に選ばれた企業の専門家メンバーが、黎明期から10年以上にわたりクラウドPBXおよびクラウドCTIの分野で業界をリードしてきた実績と豊富な経験を基に、プロの視点で編集しています。

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