クラウドPBX 2022.11.04

テレワーク環境をより良くするには?おすすめのクラウドサービスも紹介

クラウドPBX ビジネスフォン 働き方改革

働き方改革や感染症予防の観点から、自宅などの社外環境から業務を行う「テレワーク」は近年急速に普及しています。特にコロナ禍を機にはじめて導入した企業も多いのではないでしょうか? テレワークは働き方改革の実現や感染症予防につながるといったことだけでなく、より良い環境を整えれば、生産性向上やコスト削減、人材確保などさまざまなメリットを享受できます。

この記事では、テレワーク環境をより良くするための施策として「クラウドサービス活用」を取り上げ、クラウド利用のメリットや具体的なサービスなどを解説します。

クラウドサービス利用実態

テレワークに限らず、ビジネスにクラウドサービスを導入する企業は年々増加しています。総務省の「令和3年通信利用動向調査」によると、何らかのクラウドサービスを利用している企業は70.4%、2016年と比較すると20ポイント以上も増加しました。

クラウドサービスの利用用途(令和3年)の上位は以下のとおりです。場所や接続機器を選ばない利便性の高さや、資産・保守体制をアウトソーシング化できることなどを背景に、導入が進んでいるようです。

・ファイル保管・データ共有(61.0%)
・電子メール(52.6%)
・社内情報共有・ポータル(52.0%)
・スケジュール共有(44.3%)
・給与・財務会計・人事(41.3%)
・データバックアップ(34.6%)
・取引先との情報共有(18.4%)

また、何らかのクラウドサービスを導入した約90%の企業が「非常に効果があった」「ある程度の効果があった」と回答しており、クラウドサービスの導入に満足している企業が多いことが分かります。

参照:令和3年通信利用動向調査(PDF)|総務省

テレワークでクラウドサービスを活用するメリットをおさらい

テレワークとクラウドサービスは好相性で、クラウドサービスを活用することで、テレワーク環境下でも生産性を落とすことなく業務を遂行しやすくなります。

ここからは、クラウドサービスを活用することで期待できる具体的なメリットを3つ紹介します。

時間や場所など接続環境を選ばない

インターネットが接続できる環境があれば、「いつでも」「どこからでも」、常に同じサービスを利用できる点がクラウドサービスの大きなメリットです。あらかじめ業務ツールをクラウド化しておけば、使い慣れた業務環境をテレワーク環境下で再現できるので、自宅にいながらオフィスと同じような感覚で業務することができます。

また、クラウドサービスは接続端末を選ばないことも利点で、業務用PCだけでなくスマートフォンやタブレットなどからもサービスにアクセスできます。例えば、外出中や通勤途中であってもスマートフォンからメールやカレンダー、社内稟議などのクラウドサービスを利用できるため、すきま時間の有効活用ができ、業務効率のアップが期待できます。

関連:【満員列車に悩む人必見】オンラインとリモートの違いについて徹底解説

共同作業がしやすい

クラウドサービスは、離れた場所でテレワークをする社内外のメンバーとの情報共有にも役立ちます。

例えば、クラウドストレージといったファイル共有サービスを利用すると、クラウド上でファイルのやり取りが可能です。クラウド上にファイルを格納すると複数人で参照・編集・管理ができるので、メールやUSBなど従来のデータ共有方法にありがちな、「共有の手間」がかかりません。さらにweb会議をしながら一緒に資料を更新していくなどの使い方も可能で、業務効率化にもつながります。

共同作業の方法として、社内のファイルサーバ・NASを使ったデータの受け渡し方法もありますが、初期構築・保守管理の手間や、社内ネットワークに何度もアクセスしなければならないデメリットがあります。特に社内ネットワークへのアクセスが集中してしまうと、「アクセスに時間がかかる」「ファイルが開けない」など、業務に弊害が出る可能性もあります。そういった点でも、クラウドサービスを利用するメリットは大きいといえます。

事業者がメンテナンス・セキュリティ対策を行う

クラウドサービスは、サービスを提供するクラウド事業者で保守管理やセキュリティ対策を実施します。そのため、オンプレミスの社内システム・サービスを構築した場合と比較すると、「初期構築に手間・コストが少なく済む」「定期メンテナンスなど保守運用作業を任せられる」など自社の運用作業負担を軽減できるのがメリットです。例えば、万が一システムエラーなどのトラブルが発生した場合は、事業者で復旧対応をするので、自社でシステム運用費用や人件費を確保する必要はありません。

また、クラウドサービスでは日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃や情報漏えい、データ消失などのセキュリティリスクへの対策も事業者側で講じられているはずです。過去には「クラウドのセキュリティレベルは低い」とされていた時代もありますが、現在では多くの事業者で高度な技術力を持つ専門家や堅牢なインフラ設備を用意し、利用者のデータを守る対策がとられています。

特に、多くの利用者を集めるクラウドサービスでは、セキュリティ対策に力を入れていることが多く、データが消失したり外部流出したりするリスクは低いと考えられます。

ただし、セキュリティ対策を事業者任せにすることは危険です。クラウドサービスを安全に利用するためには、類推されやすいパスワードの禁止、複数のサービスでパスワードの使い回しをしない、SSL で通信を暗号化するなど、利用者側での基本的な対策も欠かせません。

テレワークで効果を発揮するクラウドサービス

働き方改革や感染症予防対策、BCP対策などを背景に、テレワークが急速に普及したことを受けて、web会議システムやビジネスチャット、ファイル共有やクラウドストレージなどのクラウドサービスの導入が進みました。テレワークを実施している企業は、既にこれらのクラウドサービスを利用されていることも多いのではないでしょうか。

ここでは、今以上にテレワーク環境をより良くするためにおすすめのクラウドサービスを3つ紹介します。

ワークフローシステム(電子稟議)

ワークフローシステムとは、組織内のさまざまな申請を電子化して、効率的に回覧・承認するためのシステムです。稟議書・出張報告書・経費精算申請書・休暇届といった書類を電子化し、稟議起票から承認・文書保管までの一連のフローをクラウドサービス上で完結させます。

従来の紙の稟議書では、保管スペースの確保や必要な稟議書を探し出す手間などの課題があります。また、稟議書には通常複数の承認者の捺印が必要です。そのため1人でも不在にすると、そこで承認作業がストップしてしまうという問題もあります。

ワークフローシステムを導入すると、紙でやり取りしていた稟議手続きにおける課題解決を含めて、以下のようなメリットが期待できます。

  • 物理的な書類回覧の手間が削減できるので、申請フローが迅速化する
  • 進捗が可視化されるので、承認漏れやフローの混乱がない
  • 用紙代・印刷代、事務作業にかかる人件費、文書保管・管理コストが削減できる
  • 不正行為を抑止、内部統制を強化できる
  • 過去データの検索・参照が容易になる

クラウドPBX

クラウドPBXとは外線との発信・着信制御、内線同士の通話などの機能を持つPBX(Private Branch eXchange;構内交換機)を、クラウド上で提供するサービスです。

インターネット接続が可能で、クラウドPBXに接続できる端末同士の通話はすべて内線電話扱いとなるため、オフィスに出勤中の従業員とテレワークで自宅勤務中の従業員との電話など、従業員同士のやり取りにかかる通話料が発生しません。

オフィス内に固定電話が設置されている場合、固定電話対応のためにテレワークができない、固定電話の電話番として交代で出社しないといけないなど、一部の従業員に負担が集中してしまうのが課題でした。さらに、固定電話にかかってきた電話をテレワーク従業員のスマホに転送すると転送料金やオフィスからテレワーク先までの通話料がかかってしまうデメリットもありました。

そういった課題を解決するのがクラウドPBXです。

クラウドPBXについての詳細は、「クラウドPBXとは?メリット・デメリット、導入のポイントを紹介」でご確認いただけます。

また、テレワークでクラウドPBXを利用するメリットについては、「テレワークにおける電話対応の課題とその対処方法を紹介!」「固定電話を無料で転送する方法は?転送の仕組みやお得な利用方法を解説」などもご参照ください。

クラウドオフィス

 クラウドオフィスとは、ネット上の仮想空間上に構築されたバーチャルオフィスです。クラウドオフィス上では、一般的に従業員が「アバター」として表現され、従業員同士がアバターを介してやり取りし、現実のオフィスにいるのと同じようにクラウド上のオフィス空間で業務します。

テレワーク環境下では、web会議システムやビジネスチャットなどでコミュニケーションが取れますが、報告・連絡といった業務上最低限必要なコミュニケーションになりがちです。オフィスで顔を合わせて自然に会話するといった機会が減少してしまうため、信頼感や親近感など職場の人間関係が十分に構築できない場合があります。

クラウドオフィスではクラウド上のオフィスを移動したり、話しかけたりと、メンバーの存在を視覚的に感じながら仕事ができ、テレワークのコミュニケーション課題や孤独感・不安感の解消につながります。VRゴーグルなど専用機器がなくても利用できるサービスも多く、テレワークの欠点を補うサービスのひとつとして注目されつつあります。

クラウドサービスを活用しテレワーク環境を整備しよう

テレワーク導入を成功させるためには、業務環境の整備は欠かせません。ファイル共有やグループウェア、web会議などのクラウドサービスはもちろん、電話応対が多い企業ではクラウドPBXの利用がテレワークでの業務生産性向上、コスト削減に大きな効果が期待できます。

まずは自社の現状把握を実施したうえで、クラウドサービスの導入目的を明確にしてから、具体的な製品選定を進めていくことが大切です。

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この記事の編集者

編集者:Good×Media編集部

CIOReview APACにて日本で唯一「最優秀クラウド電話ソリューション企業」に選ばれた企業の専門家メンバーが、黎明期から10年以上にわたりクラウドPBXおよびクラウドCTIの分野で業界をリードしてきた実績と豊富な経験を基に、プロの視点で編集しています。

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