クラウドPBX 2022.09.16

PBXの種類は大きく3つ!クラウドPBX・IP-PBX・レガシーPBXを徹底比較

クラウドPBX ビジネスフォン

PBXは構内交換機と呼ばれる装置のことで、電話の外線・内線の繋ぎ替えや振り分けの制御に利用します。これまでは自社拠点内やデータセンターに設置するオンプレミス型PBXが主流でしたが、近年ではネットワーク経由で利用するクラウドPBXが登場し、利便性の向上やコスト削減などのメリットから注目を集めています。この記事では導入時の選択肢となる3種類のPBXについて、それぞれ比較しながら、特徴や違いを詳しく解説します。

PBXは大きく3種類

PBXとは外線との発着信制御、代表番号着信機能や転送機能といった内線同士の発着信制御などの機能を有する電話交換機です。日本語で「構内交換機」「回線切替機」「内線交換機」とも呼ばれます。

1890年代に日本で初めて電話サービスがスタートして以来、時代の変化や技術革新に合わせてさまざまな種類のPBXが利用されてきました。

現代では事業所内にPBX装置を設置するオンプレミス型の「レガシーPBX」や「IP-PBX」と、インターネット上のPBX機能を利用するクラウド型の「クラウドPBX」の、3種類が広く普及しています。

レガシーPBX(オンプレミス型)

レガシーPBXとは自社の事業所やデータセンター内に物理的なPBX装置を設置し、電話回線と専用電話機(ビジネスフォン)、PBX装置を相互に接続して利用する仕組みです。

電話サービス開始以降、初めて登場したステップバイステップ交換機やクロスバー交換機といったアナログPBX、1980年代には内線切替・外線切替をデジタル化したデジタルPBXと次々に誕生し、現在に至るまで多くの企業で利用されてきました。

また、デジタルPBXの普及により新たに登場したのがCTIです。CTI(Computer Telephony Integration)とは電話やFAX、PBXなどの電話機能と、コンピュータや各種システムを連携させるための技術を指します。デジタルPBX・CTIにより、オペレーターがヘッドセットを付けてパソコンに向かって電話応対をする、現代のコールセンターのスタイルが確立したと言われています。

IP-PBX

2000年以降インターネットの利用拡大、企業内パソコンやサーバのネットワーク化などが急速に進んだことを背景に、インターネットプロトコル(IP)を使ったIP電話とともにIP-PBXが誕生しました。

アナログの電話回線ではなくインターネット回線を利用して電話を利用する仕組みで、インターネットに接続できる端末であれば、端末種別を選ばずに利用できます。つまり、企業の固定電話として用いられてきたビジネスフォンをはじめ、パソコン(ソフトフォン)やスマートフォンなども接続が可能です。一般的に、レガシーPBXと比較すると、複数拠点を持つ中・大規模の企業に向いています。

IP-PBXの設置方法には専用装置を設置する方法(ハードウェアタイプ)か、既に設置されているサーバ内にインストールして利用する方法(ソフトウェアタイプ)の2種類があります。ハードウェアタイプ、ソフトウェアタイプともに自社で初期構築・保守運用が必要です。

IP-PBXについて詳しくは、「IP-PBXとは?種類やメリット・デメリットからクラウドPBXとの違いまで」をご参照ください。

クラウドPBX

2010年以降に登場し、利便性の高さやコスト削減のメリットから近年ますます注目を集めているのがクラウドPBXです。クラウドPBXはベンダーが提供するPBXサービスをネットワーク経由で利用します。自社拠点内へのPBX装置の設置が不要なので、初期導入および保守メンテナンスにかかるコストや手間を削減できるのが大きな特徴です。

利用量や回線数の変更、必要な機能の付け外し、各種設定変更などが必要な場合も、ベンダーが提供するwebサイトから自由に変更が可能です。オフィスの移転やレイアウト変更、一時的な電話利用量の増減への対応など、従来のPBXと比較すると利便性が高いのもメリットでしょう。

クラウドPBXについて詳しくは、「クラウドPBXとは?メリット・デメリット、導入のポイントを紹介」をご参照ください。

オンプレミス型PBXとクラウドPBXを比較

オンプレミス型(レガシー、IP-PBX)とクラウドPBXを4つの観点から比較し、それぞれの特徴やメリットを紹介します。

初期導入

オンプレミス型では物理的なPBX装置を設置、もしくはソフトウェアをインストールする必要があるため、装置の初期購入や構築にかかる費用が高額になりやすいのがデメリットです。

対してクラウドPBXの場合は、ベンダーが提供するPBX機能をネットワーク経由で利用する仕組みであるため、物理的な装置にかかる費用は不要です。初期登録料がかかる場合もありますが、オンプレミス型のPBXを一から導入するのと比較すると大幅にコストを抑えられます。

運用コスト

オンプレミス型PBXの場合は定期的な保守運用が必要で、PBXの故障、経年劣化に伴う修理、メンテナンスなどにも随時対応しなければなりません。また、設定変更が必要な場合もPBXに対する変更操作が必要となります。

特に、レガシーPBXの場合は事業所ごとにPBX設置が必要となるため、国内外に複数拠点を持つ企業の場合は、拠点ごとに現地での管理・保守運用をしなければなりません。自社内にPBXのメンテナンスができるエンジニアを抱えたり保守運用を外注したりと、大きなコスト・手間がかかります。

一方、クラウドPBXではPBX機能に対する管理・保守運用はベンダーで実施されます。また、webサイトの管理画面から、容易に設定変更が可能です。そのため、オンプレミス型と比較すると運用保守にかかるコストが少なく済みます。

ただし、クラウドPBXは月額利用料がかかり、利用期間、機能、アカウント数などの条件によっては、オンプレミス型より高くなる場合もあります。

利便性・柔軟性

オンプレミス型のなかでも、特にレガシーPBXの場合は電話機とPBX装置を配線しなければならないため、事業拡大・縮小に伴う配線工事が必要となります。そのため、拠点引越し・レイアウト変更などの柔軟性は低く、ビジネス拡大の足かせになることもあるでしょう。

対してクラウドPBXの場合は、インターネット回線に接続できる環境さえあれば、場所や端末を問わず利用できます。PBXとの物理的な配線は必要ないので、引越し・レイアウト変更に伴う制約はなく、ビジネスの変化に柔軟に対応できるのがメリットです。

また、国内外の拠点はもちろん、外出先・出張先・自宅やシェアオフィスなど事業所外にいる社員のパソコンやスマートフォンを、すべて内線電話として使うことができます。社員同士の情報共有を密にできる、働き方改革やBCP対策を目的としたテレワークへスムーズに対応できるなど、利便性・柔軟性に優れています。

加えて、クラウドPBXには生産性向上・業務効率化などに役立つ機能が豊富に搭載されています。例えば、通話録音や全通話履歴・検索、クラウド電話帳、通話内容メモ保存、他システム連携などの機能があり、ベンダーにより標準機能やオプション機能として追加することが可能です。

必要な設定変更はwebサイトの管理画面から容易にでき、本部での管理集約が可能となる点もメリットといえるでしょう。

セキュリティ

オンプレミス型の場合はPBX装置が自社管理となるため、セキュリティ対策は自社で対策が必要です。対してクラウドPBXの場合は、ベンダーでセキュリティ対策を一括で実施します。

日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対向するためには強固なセキュリティ対策が不可欠です。そのため、オンプレミス型の場合は専門部署を設けてセキュリティ対策を実施できる企業体力がなければ、大きなセキュリティリスクを伴う点を理解しておかなければなりません。

一方、クラウドPBXの場合はベンダーに対策を一任するため、ベンダーの対策内容や有事の際のサポート体制など、導入前にしっかりと信頼性を確認しておくことが重要です。

今後はクラウドPBXが主流になる?

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会が取りまとめた「中期需要予測[2018年度~2023年度]」では、「ビジネス関連機器の需要総額:4,764億円(2017年度比11.7%減)」についての説明で、「ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホンでは、(中略)クラウド化やIP化への移行、スマートフォンへの代替等のマイナス面もあり、2023年度の国内金額は570億円(2017年度比19.0%減)、輸出金額は188億円(2017年度比6.3%減)と予測しました」としています。PBXについては従来のレガシーPBXからIP-PBXやクラウドPBXへと移行していることを示唆しています。

参照:通信機器中期需要予測[2018-2023年度]を発刊 |一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会

そんななか、近年では多くのベンダーが登場しています。NTTの「ひかりクラウド」やソフトバンクの「ConnecTalk(コネクトーク)」など大手通信キャリアも、クラウドPBX事業に参入している状況が見られます。

働き方改革やコロナ禍を機に導入が進むテレワークとの親和性が高いのも、クラウドPBXの特徴です。そもそも社会全体を見ても、近年、ICT化やクラウド化の流れが顕著です。クラウドPBXが次世代のPBX主流製品として需要が拡大していくことは、十分考えられます。

生産性向上やテレワーク導入などに関するさまざまな課題解決を目指すならクラウドPBXを検討しよう

紹介してきたようにクラウドPBXはオンプレミス型PBXのデメリットをカバーするさまざまな利点があります。業務の生産性やコストの課題、テレワーク導入に関する課題などを感じている場合は、クラウドPBXの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

なお、クラウドPBXと一口に言っても、その機能や具体的なサービス内容は大きく異なります。これまでの電話番号が使えるか、どのような端末が利用できるか、セキュリティ対策やサポート体制はどうかなど、クラウドPBXの選定のポイントを押さえておく必要があります。選定の際の参考になる資料を無料でご提供しています。ご希望の方は、下記よりダウンロードしてください。

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この記事の編集者

編集者:Good×Media編集部

CIOReview APACにて日本で唯一「最優秀クラウド電話ソリューション企業」に選ばれた企業の専門家メンバーが、黎明期から10年以上にわたりクラウドPBXおよびクラウドCTIの分野で業界をリードしてきた実績と豊富な経験を基に、プロの視点で編集しています。

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