クラウドPBX
クラウドPBX 2022.01.12
「クラウドPBX」10の失敗事例から学ぶ導入成功のポイント
クラウドPBXは導入前に失敗例を学んでおくべき
クラウドPBXは、企業活動の効率化とコストダウンができる優れたサービスとして注目されています。
大小さまざまな企業がクラウドPBXを導入し、便利さを実感している反面で、導入に失敗している企業も存在しています。
そこで、企業がクラウドPBX導入に失敗した10の事例と、失敗から学ぶ導入成功のポイントについてご紹介します。
失敗例1.音声品質が悪いクラウドPBXを導入してしまった
× クラウドPBXを全社で導入したが、急に通話が切れたり、相手の声が聞こえなくなったりすることでクレームに
× 通話の音が悪くて、声が聞き取りにくい、大切な通話中にノイズが入って何度も聞き直すことに
価格の安さを第一に選んでしまい、十分な比較検討をせずに導入してしまったことで起きた失敗例です。
導入したクラウドPBXが、仕事に使えるレベルの品質に達していないものだったため、日常業務に支障をきたす事態になってしまいました。
音の良さは、クラウドPBXの開発元が力をいれているポイントの一つです。
また、安定して通話できることはビジネスに利用するクラウドPBXには必須条件といえます。
失敗例2.クラウドPBXの機能不足で業務継続が不能に
× クラウドPBXに切り替えたが、自動音声応答(IVR)機能がないことが判明、かかってくる電話の取次に時間を費やされることに
× 相手に通知される発信者番号を固定する機能がないため、迷惑電話と判断した顧客が電話を取ってくれないケースが多発
実際に利用する現場の運用を、十分確認せずに決定してしまったことで発生した失敗例です。
クラウドPBXは総務部門が検討することが多いため、実際に電話を使っている部門の使い方を把握できていないケースがあります。
現場で使っていた機能によっては、業務継続が不可能なレベルに影響がでる場合もあります。
あらかじめすべての機能を確認しておくことは難しいため、できるだけ機能の多いクラウドPBXを選定しておくのも防御策の一つです。
失敗例3.クラウドPBX導入のタイミングを誤った
× クラウドPBXへの移行が完了し既存のPBXを撤去したところ、リース会社から多額のリース解約金を請求された
リース契約に関するトラブルは非常に多い失敗例です。
PBXやビジネスフォンは、5年~7年のリース契約になっているケースが非常に多く、契約期間の途中解約は原則としてできません。
事務所の廃止や廃業などのやむを得ない場合であっても、解約金や違約金と呼ばれる金額を支払って解約する必要があります。
クラウドPBXへ移行し、ビジネスフォンやPBXが不要になったからと言って、リース契約を解約すると、機器の返却を求められると同時に、リース会社から解約金を請求されます。
リースの解約金は、残りのリース月数×月額リース料は一つの目安で、一括払いを求められますので、残りのリース月数が多い場合は、多額の支払が発生することになります。
ビジネスフォンやPBX契約時の契約書類でリース契約の内容を把握する、リース会社に解約時に発生する費用を確認するなど、クラウドPBXの導入前に確認しておきましょう。
失敗例4.内線電話として使いにくい
× 固定電話機からクラウドPBXに全面移行した結果、社員から使いにくいという声があがった
× 頻繁に社内を移動するので、コードレスの内線がなくなると困る
購買部門や営業部門など、内線電話を使う頻度が高い部署で起きやすい失敗例が、電話として使いにくいというクレームの発生です。
長年ビジネスフォンの固定電話機に慣れていると、パソコンの画面とUSB接続の受話器で操作するのは使いにくいと感じる方もいます。
また、営業部門などでコードレスタイプの内線電話機を利用している企業では、PC用ソフトフォンで同じ使い方には対応できません。
電話を使う業務の多い部門はクラウドPBX対応の電話機、移動の多い営業部門にはスマートフォン用内線アプリなど、利用端末の選択肢が多いクラウドPBXを選ぶことで、幅広いニーズに対応できます。
失敗例5.マニュアルやヘルプが弱く情報が少ない
× オンラインマニュアルを見ても情報が少なく古いため解決できない
× 海外製品を日本語化しているためバージョンアップが遅く役に立たない
海外製のクラウドPBXでよく聞かれる失敗例です。
クラウドPBXは特殊な装置がなくても利用できるため、自社でマニュアルを読みながら初期設定をしたり、設定を変更したりできる製品が多くあります。
しかし、販売元が設定を行うことを前提にしているクラウドPBXの場合、顧客向けのマニュアルが公開されていないか、公開されていても情報量が少ないことがあります。
また、もともと海外で開発されたクラウドPBXの場合、必要なドキュメントが日本語化されるまで時間がかかり、役に立たない場合もあります。
ちょっとした設定変更や組織変更があるたびに、その都度販売店に依頼しなければいけないのでは、クラウドPBXの導入メリットも半減します。
最初からすべてセルフサービスで設定できるクラウドPBXを選べば、マニュアルやオンラインヘルプの質で困ることはありません。
失敗例6.セキュリティ事故発生
× 営業マンが紛失したスマートフォンの内線アプリから顧客の個人情報が漏洩
× クラウドPBXの管理画面に不正アクセスされいつのまにか設定を変更されていたことが判明
クラウドPBXのセキュリティにかかわる失敗例も、事前に対策ができます。
スマートフォンを紛失した場合、電話会社に連絡して通信を停止すると同時に、クラウドPBXの管理画面で接続停止することで、不正アクセスを防ぐことができます。
また、クラウドPBXの管理画面はインターネットからアクセスできるため、不正アクセスされると、社内の情報だけにとどまらず、顧客情報まで漏洩してしまうリスクがあります。
管理画面のセキュリティ対策として、パスワード認証だけではなく、二段階認証やIPアドレス制限、設定ログの記録などの機能が備わっているクラウドPBXを選定しましょう。
失敗例7.利用していた電話番号を引き継げない
× いままで利用していた電話番号を引き継げるのが売り文句だったが、利用開始直前に引き継げないことが判明
× クラウドPBXに引き継いで利用していた電話番号が、ベンダーの都合で突然使えなくなってしまった
電話番号の引継ぎは、企業として最も気になる点であり、失敗例も多いのが現実です。
クラウドPBXに移行するとしても、今までの番号をそのまま使い続けたいと考えるのは当然のことです。
もし、番号が変更になる場合でも、変更する大きなメリットがあり、十分な期間をもって事前に顧客に案内できていれば、大きな問題になることは少ないでしょう。
番号を引き継げないケースとしては、大きく分けて「電話番号を提供している通信会社による理由」と「クラウドPBXの仕様による理由」の二つがあるため、「今の電話会社」と「クラウドPBXベンダー」の両方に引継ぎ可能かを確認する必要があります。
クラウドPBXのベンダーや販売店によっては、詳細まで責任を持って確認しないケースや、グレーな方法で引継ぎを行っているケースもあります。
いづれにしても、電話番号の変更は顧客への通知や、書類やカタログ・Webサイトの更新など、手間とコストがかかります。
引継ぎの可否について、十分なノウハウがあり、責任をもってアドバイスを受けられるクラウドPBXベンダーを選びましょう。
失敗例8.サポートが弱い
× 販売店の担当者になかなか連絡が取れず、いつまでたってもトラブル解決ができない
× サポート窓口に技術的な質問をしても、返事が遅い上に返ってきた返事は的外れな内容だった
困った時に連絡したサポート窓口の対応が期待外れだと、クラウドPBXの導入に失敗したと感じてしまいます。
サポート窓口は契約してから付き合うことになるので、対応の良しあしを導入前に判断することは難しいように思います。
しかし、クラウドPBXの場合は、2つのポイントをチェックすると、サポートの良しあしをある程度予測することができます。
1つ目は「ベンダー直接のサポート窓口」があるクラウドPBXを選ぶことです。
PBX・ビジネスフォン業界には、販売店が保守サポートの窓口となりPBXメーカーは直接対応しないという商慣習があります。
この商慣習を踏襲しているクラウドPBXを選ぶと、開発元直接のサポートが受けられず、販売店の対応だけでサポートの良しあしが決まってしまいます。
2つ目は「自社開発」のクラウドPBXを選ぶことです。
現在、数多くのクラウドPBXが提供されていますが、他社と全く同じものを自社ブランドで販売しているOEM型のクラウドPBXも存在します。
OEM型のクラウドPBXの場合、直接のサポート窓口が存在していても、自社開発ではないためサポートできる範囲は限られます。
込み入った内容になると、開発元に問い合わせた上で回答されるため、レスポンスは遅くなり、的確な回答を得るのが難しくなります。
失敗例9.際限なく費用が掛かりコストアップしてしまう
× 最初は安かったのに利用者数が増えていった結果、料金が高額になってしまった
× 導入後に追加機能の利用を始めたところ、オプション料金が追加されていた
ランニングコストの安くなることが売りのクラウドPBXですが、料金が高くなってしまったという失敗例もあります。
クラウドPBXで一般的なのは、月額基本料金に加えて、1利用者IDあたりに料金がかかる料金体系です。
必要な数だけ契約できて柔軟で低コストな反面、利用者IDの増加に比例して料金が増えていく側面もあります。
さらに、通話録音などの機能にオプション料金がかかるクラウドPBXの場合、さらにコストが増加していきます。
企業の規模に応じて、リーズナブルな料金を選べるように、複数のプランを用意しているクラウドPBXなら、企業規模にあった料金プランで契約することで、ランニングコストの大幅な増加を抑えることができます。
失敗例10.ネットワーク機器の設定変更や入れ替えが必要になった
× クラウドPBXに移行したところ、UTMのファイアウォール設定でブロックされて利用できなかった
× オフィスのネットワーク機器が古いため、クラウドPBXの音質が悪くなった
クラウドPBXの導入時にネットワーク環境が原因のトラブルが発生した失敗例です。
音声通話をインターネット回線を利用するクラウドPBXは、ネットワークの環境に大きな影響を受けます。
すでにオフィスにインターネット回線が引かれている場合は、そのまま利用できますが、設定変更や入れ替えが必要になる場合もあります。
UTMやファイヤーウォールなどのセキュリティ機器が導入されている場合、うまく通信できないクラウドPBXがあります。
また、オフィス内のルーターやHUB、ケーブルが古いために通信速度が遅い場合、クラウドPBXの導入と同時に切り替えを検討することで、問題を回避できます。
まとめ
クラウドPBXの導入失敗例を、10個ご紹介しました。
10個の失敗例すべてに共通していることは「十分な事前検討で回避できる」という点です。
情報収集と検討不足で、自社に合わないサービスを選んでしまった結果、クラウドPBXの導入に失敗してしまうケースが多いのです。
クラウドPBXは製品が多いため、比較検討は大変な作業になりますが、知名度やブランド、導入コストだけで選ぶと、失敗の確率が高くなります。
自社の運用や、企業規模にあったサービスを、焦らずしっかり比較検討することで、失敗を回避できます。
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