業務効率化 2022.11.04

【例文付き!】電話対応マニュアル作成のポイントと盛り込むべき項目を紹介

クラウドPBX コールセンター 電話対応

ビジネスにおける電話対応は、顧客や取引先のみならず世間の信頼をも左右する大切な業務です。そのため、電話受信や発信では一定のマナーやルール、電話で話す際の心構えなどを全従業員が同レベルで心得ていなければなりません。そこで用意しておきたいのが電話対応マニュアルです。

本記事では、電話対応マニュアルについて、作成のポイントや盛り込むべき項目などを解説します。

 

電話対応をマニュアル化しておく重要性

電話対応は顧客や世間に対する窓口であり、企業の顔でもあります。

顧客からの電話の受け答えに丁寧さが足りなければ、その企業は顧客からの信頼を失ってしまうでしょう。一方、受け答えが丁寧で顧客が気持ち良く電話を終えることができれば、それだけで信頼を得られる可能性もあります。

そのため、どのようなタイミングでも、誰が電話を受けても、相手からの信頼を得られるような対応ができるようにしておくことが大切です。しかし、従業員が多ければ多いほど、電話対応の質にばらつきが出やすくなります。

これを解決するためには、マニュアル化が効率的です。電話対応マニュアルで従業員の電話対応のクオリティを一定に保つことは、相手からの印象を良くし、信頼を向上させることにもつながります。

電話対応マニュアル作成のポイント

電話対応マニュアルを作成する際のポイントを紹介します。

電話対応をする際の意識についてまとめておく

理想的な「電話対応」をするには、単にそつなく受け答えができれば良いというものではありません。従業員一人ひとりに、自分は「会社の代表である」といった意識が求められます。そのような意識が、自然と丁寧な電話対応につながっていきます。

電話対応マニュアルには、このような基本的な意識、心の持ち方についても記載しておくことが大切です。

電話対応の基本的なルールを記載する

一般的な電話対応の基本的なルールや流れを記載します。これが電話対応マニュアルの軸となり、従業員が電話対応の基礎として身に付けるべき事項となります。

電話を受けてから相手の用件を聞いたり、誰かに取り次いだりするようなよくある流れは、新人などが実際の電話中にでも参考にできるよう、テンプレートとして記載しておくと良いでしょう。

イレギュラー対応についても細かく盛り込んでおく

電話の状況は、相手によって異なってきます。そのため、さまざまな状況に応じた対応方法を、それぞれマニュアル化しておくこともポイントです。

例えば、電話対応の基本的な流れとは違って、相手が名乗らない場合にどのように聞き返せば良いのか、クレームなど予想外の電話を受けた場合に焦らず対応するにはどうすれば良いのかなど。そのようなイレギュラーなさまざまなシーンを想定し、細かなマニュアルを作成しておくことも大切です。

電話対応マニュアルに盛り込むべき項目

電話対応マニュアルに盛り込むべき項目を紹介します。

電話対応をする際の心構えとマナー

会社の代表として、相手に失礼のないよう電話対応しなければいけません。次のような心構えやマナーを記載しておくと良いでしょう。

  • 電話対応前の事前準備

電話対応をする前には、しっかり事前準備しておくことが大切です。まず欠かせないのは、メモとペンです。相手が急いで用件を告げてくる場合もありますので、すぐにメモが取れる状態にしておきましょう。また、PCで記録する場合は、聞いたことをすぐに記録できるよう該当する画面を用意しておくと、スムーズです。

そういった必要な事前準備についても、マニュアルに記載しておきましょう。

  • 相手を待たせない

電話がかかってきたときは、相手をできるだけ待たせないようにしなければなりません。3コール以内に応答すること、取り次ぎでは30秒以上待たせないことなど、具体的な目安を記載しておきましょう。

  • 言葉遣いに注意する

表情が見えない電話では、対面以上に「言葉遣い」が、印象を大きく左右することも記載しておくと良いでしょう。間違った敬語を使うだけで、不快感を抱く相手もいます。できるだけ正しい敬語を使って対応できるようにしておく必要があることも記載しておきましょう。

  • 声のトーンを意識する

電話では、声のトーンも相手に伝わる表情のひとつだと言えます。暗い声で受け答えをされるよりも、明るく元気に対応してもらった方が相手は当然良い印象を受けます。それを念頭に置いて、電話に出る際には明るく元気に対応するといったことも心構えとして記載しておくと良いでしょう。

  • 相手とのやり取りを正確に把握する

正しい言葉遣いで明るく元気な対応ができても、相手の要件を正確に把握できなければ意味がありません。

相手の用件が何なのかを理解するために、聞き取れない場合はごまかさずにしっかり聞き直す、忘れそうな場合はメモを取るなどの工夫が大切であることも記載しておきます。

以上、紹介した内容はごく一般的なものです。会社や事業内容などによって、不要なものがあったり他に必要な心構えがあったりするはずです。上記はあくまでも参考と考え、自社に合った心構えやマナーをまとめてください。ただし、その際「これくらいは常識でわざわざ書くまでもない」と思うようなことでも、知らない従業員がいないとも限りません。身に付けておくべき心構えやマナーはすべて記載しておくのが原則です。

基本的な電話対応の流れ

電話対応の流れについては、次のようなイメージで、電話を受信するパターンと発信するパターンに分けて記載します。基本的なトークスクリプトを入れておくと、新人従業員などが実際に電話をしながら確認できるので、便利です。

【電話を受信する場合】

  1. 会社名と担当者名(自身の名前)を告げてあいさつする

「お電話ありがとうございます。〇〇社の△△と申します」

  1. 相手の会社名と担当者名を聞き取り、メモをする

「〇〇社の□□さまですね。いつもお世話になっております」

  1. 相手の用件を聞く

「本日はどのようなご用件でしょうか?」

  1. 取り次ぎが必要な場合は、指名された従業員の在席状況を確認する

「〇〇部の□□ですね、在席状況を確認いたしますので少々お待ちください」

  1. 在席している場合は、取り次ぐ旨を相手に伝えて、指名された従業員に内線などで取り次ぐ

「お待たせいたしました、□□におつなぎいたします」

  1. 不在の場合は、不在である旨を相手に告げ、伝言か折り返しの提案をする(戻り時間が明確な場合は、時間を伝える)

「お待たせいたしました。あいにく□□は外出しております。よろしければ伝言を承りますがいかがでしょうか?」

【電話を発信する場合】

自ら電話をかける場合は、電話をかける前に相手に伝えるべき要件を整理しておきましょう。必要であれば資料やメモなどを用意して、できるだけ要件をスムーズに伝えるための準備をします。

  1. 自分の会社名や部署名、氏名を名乗る

「お世話になっております。わたくし〇〇社の△△と申します」など

  1. 担当者に取り次いでもらう

「〇〇の件で連絡いたしました。□□さまはいらっしゃいますでしょうか?」

  1. 担当者にあいさつをして、要件を伝える

「お世話になっております。○○社の△△です。××の件でお電話いたしました。いまお時間よろしいでしょうか?」

  1. 不在の場合は担当者の戻り時間などを確認して、改めてかけ直す旨を伝える。あるいは折り返しや伝言をお願いする

「□□さまは何時頃お戻りでしょうか?」「それではあらためて○時ごろにお電話させていただきます」

  1. 電話を切る

クレーム電話の対応

受けた電話が顧客からのクレームだった場合の対応もマニュアル化しておきます。

クレームの電話対応は他に比べても難易度が高くなります。また、対応によっては、相手の気持ちを落ち着かせてかえって信頼関係が深まったり、逆に相手をますます不快にさせSNSなどで自社への非難を拡散されたりといったことがあり得ます。

実際にマニュアルを作成する際は、さまざまなシチュエーションを考慮し、具体的なトークスクリプトをしっかりと記載しておくことをおすすめします。

  1. 会社名と担当者名(自身の名前)を告げてあいさつする

「お世話になっております。〇〇社の△△と申します」

  1. 話を最後まで聞く(相手の話を絶対に遮らないこと!)

「左様でございますか(相槌)」「〇〇ということでございますね(復唱)」「それは大変失礼いたしました(謝辞)」など

  1. 相手に不快な思いをさせた旨、お詫びをする。この時、自社に非があることをではなく、あくまでも不快な思いをさせたことについて詫びる

「この度は、〇〇につきましてお客さまに不快な思いをさせてしまいましたこと、誠に申し訳ございません」

  1. どうしても解決できない場合は、責任者に代わる旨を伝え、上長に対応をお願いする

「大変申し訳ございません。それ以上のことはわたくしでは分かりかねますので、〇〇よりお返事をさせていただきます」

クレームの電話を受けると、通常よりも焦ってしまったり動揺してしまったりして、うまく対応できなくなる従業員もいます。クレーム電話に関するマニュアルは、特に細かく具体的に記載しておきましょう。

ちょっと困ったときの対応

電話中のちょっとしたイレギュラーな事態に対応するためのマニュアルも作成しておきましょう。そうすることで、慌てずに対処ができます。

  • 声が聞き取りにくいとき

声が聞き取りにくい旨を素直に伝え、もう一度聞き直しましょう。

「おそれ入りますが、少々お電話が遠いようです。もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか」

  • 相手の名前が聞き取れなかったとき

相手の名前が聞き取れない、あるいは相手が名乗らなかった場合は、こちらから名前を尋ねて問題ありません。

「おそれ入りますが、お名前と御社名をお伺いしてもよろしいでしょうか」

  • 用件を聞き直したいとき

聞き取れなかったり、もう一度確認したりしたい場合には、遠慮せずにしっかりと聞き直すことが大切です。

「申し訳ございません。もう一度〇〇についてお伺いしてもよろしいでしょうか」

  • 返答をするために調べる時間が必要な場合

相手の質問に即答できないとき、調べる時間が必要な場合もあるでしょう。対応に時間がかかるならばその旨を正直に伝えることが大切です。

「〇〇につきましてお調べいたしますので、おそれ入りますが少々お待ちいただけますでしょうか」

返答に時間がかかりそうな場合や30秒以上待たせてしまう可能性がある場合などには、電話を折り返す旨を伝え、一度電話を切ることも適切な対処方法です。

「お調べするのに少々お時間がかかるため、改めて折り返しのお電話をさせていただきたいのですがよろしいでしょうか」

このような項目もマニュアル化しておくことで、イレギュラーな電話対応でも一定のクオリティで受け答えができるようになります。

質の高い電話対応マニュアルは顧客の信用につながる

電話対応をマニュアル化することで、誰が電話に出ても一定のクオリティで対応できるようになります。マニュアルの品質が高ければ、従業員も適切に電話対応ができ、相手の満足度も高くなるでしょう。

マニュアルは作成したらそれで終わりではなく、従業員に実践してもらいながら、改善すべき点を都度ブラッシュアップしていくことで、より活用できるマニュアルになっていきます。

今回紹介した内容を参考に、質の高い電話対応マニュアルを作成し、ぜひ顧客や取引先などの満足度向上につなげてください。

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この記事の編集者

編集者:Good×Media編集部

CIOReview APACにて日本で唯一「最優秀クラウド電話ソリューション企業」に選ばれた企業の専門家メンバーが、黎明期から10年以上にわたりクラウドPBXおよびクラウドCTIの分野で業界をリードしてきた実績と豊富な経験を基に、プロの視点で編集しています。

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