クラウドPBX 2022.12.05

クラウドPBXには海外製品も。国産クラウドPBXとの違いと比較する際の注意点とは

クラウドPBX ビジネスフォン

2022年現在、コロナ禍が2年を経過し、多くの企業ではITツールを利用することでリモートワークに対応するなど、DX化を進めてきました。

そんな中、外部とのコミュニケーションツールとして、メールやチャット以外でニーズが高まったのが、オンライン会議ツールとクラウドPBXです。

オンライン会議ツールは参加URLを共有することで映像と音声で外部とコミュニケーションをとるツールで、クラウドPBXとは企業の電話をクラウド経由でどこでも発着信させることができるツールになります。

どちらも音声を用いたコミュニケーションツールという点においては同じですが、電話番号を活用し、パソコンの準備のない出先などからの連絡にも対応できるクラウドPBXは、より企業のインフラになるという点で様々な業種でニーズが高まっています。

このクラウドPBXですが、近年はその需要に合わせて海外製品も日本市場で展開を始めており、特徴としてオンライン会議やチャット、メールなどのコミュニケーションツールをひとまとめにしている傾向があります。

この記事では、主な海外製クラウドPBXの紹介と国産クラウドPBXとの違いについて説明します。

 

海外製クラウドPBX3選

 

オンライン会議で使用されるツールとして多く耳にする「zoom」や「Teams」があります。インターネットが普及した今、海外のサービスが各国向けに内容を翻訳し、カスタマイズして販路を広げています。オンライン会議システムを提供している海外製品は、拡張機能として電話機能を提供していますので、代表される3社を例としてご紹介します。

 

Microsoft Teams

はじめに、アメリカのマイクロソフト社製の「Microsoft Teams」です。日本では「docomo business」が「Direct Calling for Microsoft Teams」、NTT東西が「ひかり電話クラウド」として販売しています。機能として通話履歴や保留、内線ダイヤルやボイスメールなどビジネスフォンに見られる従来の機能が搭載されています。Microsoftアカウントを用いて電話の発着信を行うことができるので、新たに機器を追加することなく従来のパソコンやスマホアプリで使用することができます。

 

Zoom Phone

続いてアメリカZoomビデオコミュニケーションズ社製の「ZOOM Phone」。主にオンライン会議での利用が、コロナ渦において激増したのは記憶に新しいかと思います。当初はセキュリティの懸念などで不安視する声もありましたが、無料版と有料版の差別化などにより多くの個人・法人に利用されています。「Zoom One」という名称でチャットや電話、ビデオミーティングまでコミュニケーションツールを統合したサービスを提供しています。

 

Dialpad

最後にアメリカ発祥の「Dialpad」。アメリカや韓国ですでに1,000万人以上が利用しており、日本ではソフトバンクが総代理店として販売されています。Googleアカウントでログインするだけで音声・ビデオ通話、チャットなどを利用することができます。日本でも1800社・80,000ユーザーを超える実績があり、通話録音に加えて通話分析によるセールス向上やミーティングの録画により議事録を不要にする動きが予定されています。

 

日本製クラウドPBX機能との比較

海外製クラウドPBXに共通するのは、コミュニケーションツールの延長線上に「通話」が含まれているという点でした。そのため、チャットをしていた相手と通話ボタンで「電話」をする。「通話」していた相手と資料を共有するためにビデオ会議に切り替えるなど、端末1つでコミュニケーションが円滑に進めることができます。一方で「電話」としての細かな設定は提供されているマニュアルを参考に作業する必要があり、ある程度のリテラシーが必要な印象で、メールやチャットなどを他のツールで利用していた場合に、それらすべてを変更する必要が出てくる場合があります。

 

日本のビジネスフォン文化に寄り添った国産設計

実は日本の電話文化は海外とは異なり、独自の電話慣習の上で進化してきたという歴史がありますが、日本で開発されたクラウドPBXの多くは、従来の日本のビジネスフォン文化の慣習に合わせて開発されています。

また、中小企業はチャットやメール、オンライン会議はそれぞれ異なるツールを利用していることも多く、国産クラウドPBXは「電話」に特化した作りになっています。

 

システム連携

国産クラウドPBXは、メール共有システムやチャットシステムに「電話」機能を付与するといった海外製と逆の発想で機能を充実させており、電話システムとして独立しているものがほとんどですが、クラウドPBXによっては、チャットツールやメール、顧客管理などと連携が可能なものもあります。逆に海外製クラウドPBXではコミュニケーションツールを統合しているため、他システムとの連携ができない場合が多いというデメリットもあります。

 

電話をコミュニケーションツールに統合するか、独立させて汎用性を持たせるか

従来のビジネスフォンからクラウドPBXに移行する際に懸念すべき事項として、まずはインターネットを経由するためセキュリティ面は必須です。また機能が業務要件に適しており、コストも最小限にできるか。保守がしっかり実施されており、安定した音声通話ができるのかなど、確認しておく点はいくつかあります。使い慣れたシステムを変更する際には不明点も多く、導入後に見積もりよりコストがかかることや、音声品質が悪いなどのトラブルも考えられます。サービス選定の際には、導入前から相談や検証などのサポート体制が整っているかどうかも基準にしてはいかがでしょうか。

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この記事の編集者

編集者:Good×Media編集部

CIOReview APACにて日本で唯一「最優秀クラウド電話ソリューション企業」に選ばれた企業の専門家メンバーが、黎明期から10年以上にわたりクラウドPBXおよびクラウドCTIの分野で業界をリードしてきた実績と豊富な経験を基に、プロの視点で編集しています。

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